食品工場/食品加工/厨房/キッチンの殺菌・衛生
学校でも、あまり学ぶ機会がなかった殺菌の知識・技術を紹介しています。紫外線やオゾンなど、薬品に頼らないエコで安全な殺菌の、原理や考え方を説明しています。
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はじめて殺菌装置を導入されるお客様、多様な条件にあわせた
カスタム仕様や、バイオクリーンルーム仕様をご希望のお客様も、 弊社では説明担当者が常駐していますので、お気軽にご相談ください。 ご質問に即答いたします。 有限会社マリオネットワーク 細菌や酵母は、増殖可能な条件下では、短時間(誘導期といいます)を置いた後に増殖し始めます。 細菌・カビ・酵母などへの対策を表す言葉の意味は、
(1)から(9)への対策としては:「バイオクリーンルーム(バイオクリーン環境)」を作り、 バイオクリーンルームでの製造過程にも殺菌を実施するのが有効です。
前項(1)から(9)への共通対策となり、トータルに衛生効果をあげる方法として、まず紫外線オゾン装置による
バイオクリーンルーム/バイオクリーン環境作り があり、作業空間を紫外線オゾンで殺菌してバイオクリーン化します。 紫外線オゾンとは、紫外線で生成するオゾン気体のことで、空気中の酸素に紫外線を当てて作ります。 空気中の浮遊菌・落下菌、作業台や床など表面、清掃でブラシ類が届かない箇所などにオゾンが行き渡り 殺菌してくれるため、手軽で経済的であるにもかかわらず、食品事故発生率を極めて低くすることができます。 オゾン殺菌の具体例として、常温の寒天培地に黄色ブドウ球菌、腸炎ビブリオ菌を塗布し 、 0.1PPMのオゾンに2時間触れさせ、その後に菌を培養しても、増殖数は黄色ブドウ球菌で2〜3以下、 腸炎ビブリオ菌は0 にとどまった実験結果も報告されています。オゾンに触れさせない場合は各3000 といった数値になることが多いため、オゾンにより、極めて高い殺菌効果が得られていることが分かります。 また薬品の散布だとコスト・残留性が問題になりますが、オゾンは空気が原料で、時間がたてば酸素に戻るので、 エコロジカル・安心です。さらに食品混入物による事故原因の70%を占めるネズミ・害虫はオゾンを嫌うため、 それらが自然と作業場に姿を見せなくなるメリットもあります。
エア・サニタライザーによる空気殺菌試験報告書エア・サニタライザーを使った食品工場、厨房での紫外線、オゾンによる食中毒を防ぐ為の殺菌試験報告 試験装置 : UVオゾン室内殺菌脱臭装置 エア・サニタライザー×1基 1.細菌殺菌実験菌検査はM環境研究所(愛知県知事登録検査所)が実施。
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■ 作業者の手や調理器具の殺菌。 |
■ 床洗浄によるヌメリ除去。 |
■ 下水の悪臭やカビの臭いを抑える。 |
■ 食材のオゾン水洗浄による長期鮮度保持。 |
*写真のクリックで、オゾン水装置のページをご覧いただけます。
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0:はじめに
菌は人間の生活環境のどこにでもいます。そして人間は「ある程度の数」の菌には耐性があります。
薬品消毒や100%殺菌などでは、品質や味、環境、作業者や消費者の体への影響が問題になる場合がありますので、
その場合は100%に近い殺菌処理を施し、菌の繁殖抑制条件を示し、消費期限・賞味期限・品質保証期限等を設けて、
菌数が問題ないうちに使用・飲食するように促します。
JIS規格、厚労省通達、保健所の指導など、いずれも「常識範囲での菌の抑制」を前提としており、例えば消費期限を
越した食品でも無菌状態を保つ様な指導はしていません。しかし同時にそれらの指導・通達基準以下の殺菌程度を
許可していません。従って製造者としては最低限、JIS規格、厚労省通達、保健所の指導に準拠する殺菌処理を行う
必要があります。
例えばレトルト食品などでは厚生省告示による規格基準で、中心温度120℃x4分間、またはこれと同等以上の殺菌が
必要とされています。しかし細菌芽胞や耐熱性菌などは100℃・6時間煮沸でも死にません。オートクレープ装置を使った
加熱殺菌では121℃2気圧で20分、115℃1.7気圧で30分以上の殺菌を行います。(それ以下で済むならオートクレープなど
不要のはずです。) それらから考えても、行政等では、常識的な殺菌基準を指導しています。むしろ食品メーカー側が、
エンドユーザーの実態や、条件の悪い保存状況などを想定して、必要な場合には通達や指導以上の殺菌を施しています。
たとえばレトルトカレーでは厚生省告示による規格基準以上の120℃・25分
等の殺菌を多くのメーカーが実施しています。
1:腐敗と、その分類
『腐る』とは、細菌・カビ・酵母など微生物が、物質を分解したり、変性させることを指します。
厳密には以下のように分類されますが、通常はひとまとめにして「腐敗」と呼ばれます。
腐敗すると、臭いがする、味が変わる(酸味・苦味)、ガス(Co2、H2、N2など)が発生して
パッケージが膨らむ 、全体に粘る、など変化する場合があります。
1:腐敗=たんぱく質が変性したもの
2:変質=炭水化物や脂質が変性したもの
3:発酵=炭水化物が変性したもの
4:カビ= カビ菌が菌糸を生やし、胞子が出芽した状態
2:菌の侵入経路
菌の多くはどこにでも居て、(1)物に付着して運ばれたり、(2)空気に乗って運ばれます。
カビ菌の例では、胞子の状態で運ばれて、物質に付着して菌糸を生やし出芽してカビになりますが、
胞子は外気中にも1立方メートルあたり平均80個存在するというデータ(神戸市衛生局)があります。
これらから、衛生管理では対象物そのものの衛生チェック/殺菌/洗浄だけでなく、施設とその空間
の菌への対策が必要です。
3:菌(カビ菌を含む)の繁殖条件=対策ポイント
1.適度な温度があること(10〜35℃前後)
2.栄養分があること。有機物のホコリ、チリ、垢(あか)なども栄養素となる。
3.水分があること(湿気が最適)
4.酸素があること(嫌気菌を除く)
「パスツール応用」
細菌や微生物の増殖には、栄養・水分・酸素分圧(その場に含まれる酸素比)・温度が関係します。
例えば大腸菌は快適環境では20分で2個に分裂しますが、条件がそろわないと増殖速度が落ちます。
この増殖条件は、悪い条件が他の優れた条件の足を引張り、劣ったほうに足並みが揃います。
この原理を応用することで菌の繁殖を防ぐことができます。
4:腐敗の予防・防止
殺菌および、菌の繁殖条件(前述)の抑制で、腐敗の予防・防止ができます。
そのため腐敗予防・防止の方法として、殺菌の他に、菌の繁殖条件を抑制する方法がとられます。
1: 加熱殺菌
=加熱により病原性の菌を殺します。この高度技術に低温殺菌(62℃〜65℃で30分や75℃で15分)があります。
誤解してはいけない注意点として、85℃・30分煮沸等でも100%殺菌など無理です。あくまで滅菌にすぎません。
逆に0℃以下の低温でも菌そのものの死滅は期待できません。これらに関する誤認は多く、要注意です。
普通の病院などでも、オートクレープ装置を使った加熱殺菌(121℃2気圧で20分、115℃1.7気圧で30分以上)や
160℃以上の高熱殺菌、紫外線殺菌などを、より完璧に近い殺菌のために実施しています。
2: 紫外線殺菌
=UVランプでの照射、天日干しも紫外線殺菌です。陰になって照射できないところは殺菌できません。
3: 除菌=フィルターろ過、遠心分離、洗浄など。
4: 薬品殺菌=塩素系漂白剤・消毒用アルコール・過酸化水素水などによる殺菌もあります。
5: 冷蔵・冷凍=菌は死滅せず温度を下げる事により腐敗を遅らせる。
6: 塩漬け・砂糖漬け=食物の中のAw(水分活性)を低くして腐敗を防止する。
7:乾燥=やはり食物から水分を奪って菌の繁殖を防ぐ。
自然乾燥・・・するめ・干し柿/加熱乾燥・・・ご飯/凍結乾燥・・・野菜
8:真空パック=酸素を奪って菌の繁殖を防ぐ。
9: くん煙・酢漬けなど=抗菌作用があります。
食品・薬品・化粧品など、人が存在する生産の現場(工場・加工場など)では、
温度と酸素の抑制は困難です。湿度は例えば通常のカビは60%以下で発育し難くなり、
人が快適に感じる湿度は40%〜65%なので、50%程度の湿度を保つことが最良の方法です。
製造や加工で火やお湯を使うと湿気が増し、結露した箇所などで菌が繁殖しやすくなりますので、
オゾンやUVで浮遊菌・落下菌対策をしておくと安全性が増します。
また石鹸で菌を洗い流す際、石鹸に殺菌力は無く*、石鹸は菌を洗い流す手助けでしかありません。
そのため、例えば石鹸水に菌が付着すると、その成分を栄養に菌は育ちます。
さらに洗剤で洗浄した後の石鹸水がどこかに残っていると、そこを栄養床に菌が繁殖し、再び空気中
に広がってしまうので、洗浄後は必ず残留がないように洗い流しきることがポイントです。
*ウイルスの場合、ウイルスは薄い油脂に覆われただけの非常に壊れやすい物質なので、
石鹸手洗い20秒以上で石鹸の泡が脂質を切り裂き、ウイルスを「破壊」できます。
オゾンを水に溶かした『オゾン水』は殺菌力が強く、残留性もないため
、食の安全を確保できるもの
として近年注目されています。オゾン水を使った殺菌の能力はオゾンとの接触時間に、ある程度、比例しますので、
機器の洗浄や、食品の漬け洗いにオゾン水装置を導入すると、無薬品で手軽に衛生向上が可能になります。
オゾン水の殺菌能力は大腸菌、ぶどう球菌、緑濃菌、インフルエンザウイルス、鶏脳脊髄炎ウイルスなどに対し、
1mg/リットル前後の低濃度でも、5秒間の接触で殺菌率100%(=生存数0)という実験結果も報告されています。
お湯をかけるよりオゾン水のほうが殺菌効果が高いのですが、新しい知識を得る機会のない人も多く常識化していません。
オゾン水殺菌についてはこちらをご参照ください。(当サイトページの上方に記載しています)
5:腐敗予防のためのチェック
食品衛生では、各地の生協も採用しているATP(=全ての生物にとっての栄養源)の検査装置があり、
ルミテスターという名称でキッコーマンが製造しています。細菌にとっても栄養となるATPの残存
や付着が、試薬でぬぐって10秒で数値表示される装置のため、従来の寒天培養地などで菌を
24時間かけて繁殖・カウントするのに比べて、極めてスピーディに衛生状況のチェックができます。
さらに衛生状態を、その場で数値確認することで、現場の意識やモラルが高まるメリットがあります。
日本でもオゾンの有益性は古くから認識されており、各地の食品工業技術センターなどが具体的な
実験や検証を続け、順次利用範囲を広げて認可しています。
食品分野でのオゾン利用は、従来の殺菌方法と比較して、食品への残留性がない、風味を損なわない等
の利点があり、またオゾンは強力な殺菌力を持ちながら、使用後は酸素へ戻るため、環境に優しい殺菌剤
として優れています。また分解しやすいオゾン水を凍らせることでオゾンの保存と運搬を容易にするといった
新しい技術も次々と開発され、ここ数年で急速にオゾンの利用範囲が日本でも広がっています。
2 オゾンとは
オゾン(Ozone:O3)は紫外線が豊富な高原や海岸などの空気中に比較的多く存在し,高濃度では微青色
の気体です。 酸素原子が3個結合してオゾン分子となるため、化学的に不安定で、常温で徐々に分解して
酸素になります。空気中では数十分から数時間、水中では数分から数十分で分解します。
オゾンの酸化力はフッ素に次いで強く、有機物,無機物を酸化します。自然界では0.01〜0.05ppm検出され、
0.1ppmになると刺激臭を感じるためギリシャ語のOzeine(臭う)から命名されました。
3 オゾンの利用
日本では、オゾンは殺菌,脱臭,漂白,精密洗浄などの目的で、水の殺菌,水道水の脱臭,排水処理,
化学品の製造,半導体の超精密洗浄,食品・薬品工場内や病院などの空気浄化,食品および原材料の殺菌,
ホテル,スーパーや給食センター内の空気殺菌などに活用されています。
3−1 オゾンによる脱臭
オゾンによる脱臭は強力で、悪臭成分を酸化して分解します。日本の浄水場では塩素消毒で除去できないカビ臭
や湖沼に発生したプランクトンに起因する臭い対策のためオゾンを使います。
特にオゾンには魚臭の主成分であるアミン類,硫化水素,メルカプタンなどの異臭を除く効果があり、養豚,養鶏など
の畜産農家でも臭気除去の目的で利用されています。
3−2 オゾンによる殺菌
オゾンは古くから一般細菌,大腸菌群,酵母,糸状菌,ウィルスの殺菌に有効なため使用されてきました。
また食品の保存に関しても多数の報告があります。オゾン細菌は、オゾンの酸化作用で細胞膜の構成成分
(リン脂質とタンパク質)を破壊して溶菌を起こさせるか、またはオゾンの酸化作用により細菌の酵素又はRNAや
DNAを分解、損傷させて行います。
3−3 食品分野での適用例
オゾンの食品分野での適用濃度は,殺菌,脱臭,貯蔵の目的の場合0.1〜1.0ppmで、
日本の作業環境基準値は0.1ppmで、1日8時間オゾンにさらされても健康上問題ないとされる値です。
それより高濃度のオゾンを長時間使用する場合は,人がいない夜間に使用したり、換気装置をつけます。
オゾンガス殺菌を食肉や魚介類加工場の各作業場や食品保管庫で行うと、食肉や魚特有の臭いが少なくなり、
空中浮遊菌や二次汚染菌が著しく減少します。また愛知県食品工業技術センターの内藤先生の研究では、
生めん製造でオゾン処理した小麦粉を用いると、包装製品で乳酸菌が減少して袋の膨張が防止でき、
蒸しまんじゅうの原材料や製造工程中にオゾン処理を行うと保存性が向上、またケーキに生成する酵母菌を
殺菌するなど、原材料,製品,および製造工場内での利用に効果があります。
従来、一般に知られていない衛生管理方法で非常に効果的なものが、紫外線オゾン殺菌装置です。
オゾンは殺菌力のある気体で、気体は空間全体に拡散する性質があります。
そのため空気中にただよう菌(後で落下・付着して繁殖する)や、器具・作業台・壁・床・天井などの表面に付着した菌を
オゾンで殺菌することができます。普段清掃できない棚の隙間などもオゾンで殺菌可能で、しかも残留物が残りません。
愛知県食品工業技術センターでは、実際の生めん工場でオゾンを導入試験して、明確な効果確認を論文化しています。
また衛生管理に厳密な食品加工場・酒造工場・製薬工場・化粧品原料工場などでは既に導入されている技術です。
菌の侵入経路・繁殖条件を参照しながら考査すると、オゾン導入による効果・メリットがよく解かります。
「操業停止時間にはオゾン殺菌、操業時間内は紫外線殺菌灯として」紫外線オゾン殺菌装置は登場しました。
現在 最も普及しているものは在室時も人に安全な低濃度オゾンを発生させる
殺菌効果の高い「エア・サニタライザー」です。
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