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まず、殺菌について -
殺菌とは「菌を全滅させること」のように思い込みがちですが、実際の対策では
「菌を減らす方法」と「菌を増やさない方法」の、2つの組み合わせと考えるほうが具体的です。
また「瞬間的・短期間で実施すべき殺菌」と、「長期の間に、菌数が抑制されればよい項目」があるため、
対応は分けて考えるのが合理的で、紫外線・オゾンともに、「菌を減らす/増やさない」 「長期/短期」
この いずれの対策にも利用できます。
細菌や微生物の増殖には、栄養・水分・酸素分圧(その場に含まれる酸素比)・温度が関係します。
例えば大腸菌は快適環境では20分で2個に分裂しますが、条件がそろわないと増殖速度が落ちます。 この増殖条件は、悪い条件が他の優れた条件の足を引張り、劣ったほうに足並みが揃います。
(=パスツール効果*の逆応用)
身近な例として冷蔵庫は、前述の「菌を増やさない方法」「長期に菌数を抑制する方法」の具体化のため、
菌の増殖条件のひとつである「温度」を操作することで、「パスツール効果の逆応用」を行っています。
*パスツール効果
パスツールは、発酵(=糖の分解)に関して、
『酸素があると微生物はさかんに繁殖するがアルコール生成は進まず、酸素が遮断されると微生物は
増殖せずアルコール生成が増える』ことを発見しています。(パスツール効果)
これは生化学U等では「好気性条件下での発酵速度は嫌気性条件下より遅い」という言い方で表されます。
(=「酸素があると発酵が進まず、酸素がないと発酵が進む」とも意訳) このことから酵素の働きや微生物学的
観点に論は発展していきますが、上記の「増殖条件」のようなアプローチ概念の素地にも応用されています。
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