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オゾン殺菌装置 : 表面・空気のオゾン殺菌
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殺菌対象を、「細菌」と「ウイルス」に分けると、細菌は細胞を持ち、ウイルスは細胞を持ちません。
細菌は細胞分裂で増殖し、ウイルスは感染した相手の「情報」を自分の情報に書き換えます。
オゾンはこの 「情報(DNAやRNAといった遺伝子情報)」を分解して、増殖を防ぎます。
「HACCP的管理法」
HACCP(ハセップ、ハサップとも呼ぶ)とは、アメリカのNASAが宇宙食のための衛生管理を研究した結果、
「全工程中、各工程にそれぞれ重要ポイントがあり、その個々ポイントの衛生管理を徹底することが殺菌に最も効果的」
という結論に帰結したことを軸とする記録・チェックのシステムです。この考え方で一般の製造過程をチェックし、
細菌繁殖リスクのある箇所への対策を考えると、大半は下記ポイントへの対策になります。
(1)そこで働く作業者が運ぶ細菌
汗・唾液(咳・会話によるツバ)の飛散、手・毛髪・衣服・靴から落下する細菌など
(2)作業場所の空気中の細菌
(3)作業場所の床・排水溝から舞い上がる細菌
(4)作業施設内のドアノブ・テーブル・加工台などに付着した細菌
(5)加工・充填装置内で繁殖する細菌
(6)製品パッケージやキャップの裏に付着している細菌や、梱包用の紙箱内から舞い上がる細菌
(7)製品原料に混入した細菌
(8)製品原料保管庫内の細菌
(9)ネズミ・ハエ・ゴキブリなどが運ぶ細菌、または宿主そのものの混入
(1)から(9)への対策:[製造過程での殺菌・衛生管理に有効な紫外線オゾン]
前項(1)から(9)への総合対策として効果をあげている方法に、紫外線オゾン装置の導入があります。
紫外線オゾンとは、紫外線で生成するオゾン気体のことで、空気中の酸素に紫外線を当てて作ります。
空気中の浮遊菌・落下菌、作業台や床など表面、清掃でブラシ類が届かない箇所などにオゾンが行き渡り
殺菌してくれるため、手軽で経済的であるにもかかわらず、食品事故発生率を極めて低くすることができます。
オゾン殺菌の具体例として、常温の寒天培地に黄色ブドウ球菌、腸炎ビブリオ菌を塗布し 、
0.1PPMのオゾンに2時間触れさせ、その後に菌を培養しても、増殖数は黄色ブドウ球菌で2〜3以下、
腸炎ビブリオ菌は0 にとどまった実験結果も報告されています。オゾンに触れさせない場合は各3000
といった数値になることが多いため、オゾンにより、極めて高い殺菌効果が得られていることが分かります。
また薬品の散布だとコスト・残留性が問題になりますが、オゾンは空気が原料で、時間がたてば酸素に戻るので、
エコロジカル・安心です。さらに食品混入物による事故原因の70%を占めるネズミ・害虫はオゾンを嫌うため、
それらが自然と作業場に姿を見せなくなるメリットもあります。
[参考:紫外線オゾン殺菌脱臭装置]
エアー・サニタライザー: 全国的に採用されている製品です。
エアー・サニタライザーによる空気殺菌試験報告書
食品工場、厨房での紫外線、オゾンによる食中毒を防ぐ為の殺菌試験報告
試験装置 : UVオゾン室内殺菌脱臭装置 110W×1基
試験目的 : 装置稼動前後の室内菌数調査によるオゾン殺菌効果
試験場所 : N社厨房
試験期間 : 1997/09/19〜10/15
1.細菌殺菌実験
菌検査はM環境研究所(愛知県知事登録検査所)が実施。
測定地点は5箇所。菌数は10平方センチメートル当りの値。
測定地点 |
菌種 |
設置前 |
設置後 |
1週間後 |
2週間後 |
3週間後 |
No.1 |
一般細菌 |
754.0 |
15 |
4 |
0 |
大腸菌 |
1.0 |
0 |
0 |
0 |
No.2 |
一般細菌 |
814.3 |
1 |
11 |
0 |
大腸菌 |
16.7 |
0 |
0 |
0 |
No.3 |
一般細菌 |
57.7 |
180 |
90 |
12 |
大腸菌 |
8.3 |
45 |
0 |
0 |
No.4 |
一般細菌 |
47.7 |
1 |
9 |
0 |
大腸菌 |
17.0 |
0 |
3 |
0 |
No.5 |
一般細菌 |
4.7 |
0 |
14 |
4 |
大腸菌 |
41.3 |
0 |
0 |
0 |
2.エアー・サニタライザー運転後
運転開始日 9/25, 試験日10/1, 10/8, 10/15、
試料採取時間:厨房仕込前 AM8:00
菌数は日ごとに低下、大腸菌群は一週間で陰性になり、
最終日には測定した5ヶ所全てが0/10cm2を示した。
最終日の一般細菌数は、2ヶ所で12/10cm2、4/10cm2、
残り3ヶ所は0/10cm2と、オゾンの大きな効果が示された。
3.考察
5ポイントの平均で評価すると、一般細菌は20日間の稼動で99%減少し、
大腸菌群は一週間で陰性になり、20日後は検出されなかった。
オゾンを環境衛生に使う時は濃度を0.5ppm以上に設定することが望ましい。
作業が始まると作業者が外部から細菌を持ち込むので、試料採取は作業開始前に行った。
(当装置は無人時に全自動タイマーでオゾン殺菌、作業者の在室時に紫外線殺菌*を行います。)
*最新の装置は、在室時に紫外線だけでなく、安全濃度のオゾンガスも出せるようになっています。
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