光酸化水処理>光酸化/促進酸化法(AOP)による水処理

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 [光酸化水処理]

紫外線とオゾンを併用する「UV洗浄・UV表面処理処理技術」は、半導体・液晶等の電子部品製造工程において
ドライ式高度洗浄・改質技術として利用が広がっていますが、近年は「光酸化法/AOP(促進酸化法)」として、
水処理分野でも導入が進められています。



AOP(光酸化・促進酸化)
光酸化法(AOP)による水処理のメリット・特長
UV/AOP装置の構成
UV/AOPの有効適用範囲
UV/AOPの適用における注意事項

実用化動向と実施例の紹介
プール施設への光酸化法の導入
参考:紫外線応用による水処理の歴史



AOP(光酸化・促進酸化)



AOP(Advanced Oxidation Process):光酸化または促進酸化と訳されます。
促進酸化は、極めてクリーンで高いエネルギーを有する紫外線と、酸化剤を併用して、
より酸化力の強いヒドロキシラジカルを生成させる技術です。

他の水処理技術では処理が不可能か効率の低い、ダイオキシンなどの難分解有機化合物に対しても
処理が可能なため、近年実用化が急速に進んでいます。また高い殺菌力があり、低濃度まで高度処理ができると
共に、スラッジなどの残留物が出来ないことが光酸化水処理技術の特長です。

弊社の提携社がUVとオゾン併用の水処理装置を日本で初めて開発し、この技術を「UV/オゾン併用水処理技術」
と命名し、「UZON」を商標として登録しました。その後の研究で紫外線が相乗効果を発揮するのはオゾンに限らず、
過酸化水素、次亜塩素酸や過マンガン酸カリのいずれの酸化剤とも反応して、それらを活性化し水の浄化力を高める
ことが判ったので、広い意味を込めて光酸化水処理技術と呼ぶようになりました。
またAdvanced Oxidation Processという英語も生まれ、促進酸化法と訳されて、特にオゾンの世界で広まっています。
ユーゾンより長寿命で出力の高いランプをセットした製品も登場しています。詳細はお問い合わせください。
また弊社ではUVランプより効率の高いオゾン生成装置と紫外線ランプを組みあわせた、 安価で効率のよい
光酸化装置もご用意しています。




光酸化法(AOP)による水処理のメリット・特長



光酸化法は「低い濃度まで高度に処理ができる」ことが第一の特長で、水の再利用や循環処理に適します。


水処理では、対象となる水に含まれる汚染物の種類や濃度の範囲が大きく、ほとんど不純物を含まない超純水の
0.1PPM以下から10%を超えるような汚水まであります。このように範囲の広い汚染濃度に対し、一種類の方法で対処
できる水処理技術はありません。そのため水処理技術には多くの種類があり、それぞれが得意とする汚染濃度範囲が
あります。
光酸化水処理技術は3次処理・高度処理に属し、競合する技術には、オゾン処理法、活性炭濾過法、UF膜や
逆浸透膜の膜分離法があります。高度水処理技術は高濃度の汚染には効率が悪いので、処理水は前処理で100PPM
以下まで落としておくことが要点です。代わりに光酸化法の浄化度は非常に高く、超純水の処理システムで使われている
TOC除去技術は光酸化法の最大の成功例で、TOD値を0.1以下に落とすことができます。 


膜分離法や活性炭濾過法と異なり、光酸化法は対象が有機化合物の場合はそれを酸化分解し、最終的には汚染物を
水、炭酸ガス、酸素などの分子にまで分解して消滅させます。(実際には、そこまで処理せず中間生成物で止め、後は
生物処理にかける事もあります。)


光酸化法の第2の特長は「スラッジなどの残留物ができない」ことで、環境保全の必要性から廃棄物規制が益々厳しくなる
時代に適した技術です。オゾン、過酸化水素、次亜塩素酸による反応は、酸素の活性種が関与する酸化反応です。
代表的な酸化剤ではフッ素が最大の酸化力を示しますが、これは水処理には使えません。
オゾンその他の酸化剤にUVを照射すると分解が促進され、新たな活性種として酸化力第二位のヒドロキシラジカルが生じます。
UV照射による酸化剤分解の促進時間は平均数百倍と考えられ、実際の水処理での反応時間は10倍以上短縮できます。
また高いエネルギーを持ったUVは有機化合物の分子結合を切る事ができ、これらの要因が複合して、難分解性の有機物も
効率良く浄化できます。そのため光酸化法の第3の特長は「難分解性の有機性汚染物にも効果がある」事で、ダイオキシン類の
処理では、国内では最も高い実績を上げています。


次に 光酸化法の第四の特長は「高い殺菌力」です。活性炭や膜分離による高度水処理技術と異なり、紫外線やオゾンには
強い殺菌力があるため、光酸化法で処理した水は、同時に高度に殺菌処理されます。しかも塩素に比べ、危険なプール熱や
小児麻痺を起こすウイルス、AIDSウイルス、レジオネラ菌を殺す力が強いので、塩素への依存を緩める事ができますが、
日本の法令は 塩素に高く依存し残留塩素の規制値が高いので、光酸化法のメリットを最大に生かせないのが残念です。
ちなみにオリンピックのプールなどはUV−OZONにより、塩素を全く使用しない殺菌管理がすでに行われています。






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