[ UV硬化装置の選び方 ]
<STEP.1:用途・目的に適したUV波長の装置を選ぶ>
UV照射装置には、UV塗料・UV樹脂の硬化・乾燥/UV塗装/殺菌/オゾン生成/光洗浄/光改質など、
様々な用途があり、用途によりUV波長が異なるため、用途・目的に合った波長のUV照射装置を選びます。
(1) UV塗料・UVインキ・UV樹脂の硬化・UV塗装には
インキやUV樹脂の説明書に波長が記入されていれば、それを参考にします。
カラー/インキはメタルハライド、透明UV樹脂は365nmが指定されることが多いですが、
塗布膜厚が厚い場合は、内部硬化性の点でメタルハライドランプが有利です。
適正波長が200〜400nmと書かれている場合は、365nmを出す安価な高圧水銀ランプで済みます。
UVインキ・UV樹脂の硬化に有効な波長域は、320〜400nmの長波長域とされています。
長波長の方が透過性で有利で、使用原料に365nm近くで最大透過率を示すものが多いためです。
硬化速度はUVインキ・UV樹脂の色によって異なり、透明、紅、黄、藍、墨の順に遅くなります。
塗布量とUV照射時間のバランスに注意しないと硬化不良を起こしますので、
塗膜表面と同様、内部への硬化を同時に進める条件設定(UV照射量=UV照度x時間)が肝要です。
特にUV塗料・インキの硬化では白及び墨の調色で、光の透過が激滅するため濃度調節が必須です。
(2) 光洗浄/光改質には
UV硬化は、従来「接着が困難」とされてきた材質の接着や印刷に使用されるケースも多く、
それら素材への密着性を上げる技術としてUV洗浄やUV改質があります。
使用するUV装置の波長は 185nm/254nm波長で、低圧水銀ランプを使用します。
(光洗浄/光改質の説明と装置は SUV/EUVランプをご参照ください。)
<STEP.2:作業に適した形状・タイプのUV硬化装置を選ぶ>
必要なUV照射幅・面積を満たしているか
時間内に処理量をこなすための必要光量に足りるか
作業に適している装置の形状・タイプ:卓上型・コンベア型・ハンディタイプ などを選択します。
<参考1:照射に必要な紫外線の量(UV照度)>
UV硬化型の、塗料/樹脂・接着剤/インキは、一般に数秒で乾燥し、その硬化時間は紫外線量に比例します。
紫外線量(Radiantexposure)と照度の関係は、次式で示されます。
E=I×T(sec)
E:紫外線量(UV露光量とも称する)単位:(mJ/cu)
I:UV照度:(mW/cu)>紫外線の強さ(UV照度)は単位面積cu当たりのミリ・ワット単位で表します。
T:照射時間:(sec)
硬化に必要なUV露光量は素材により決まっていて、UV照度が分かればこの式から必要な照射時間が
計算で得られます。
<参考2:照射に必要な紫外線量と、平均的な装置サイズ目安>
ランプの光る部分の長さ(発光長)は、ワークより長くすると、強いUV照度が使えます。
ワークよりランプ発光長が短いと、ワークからのランプまでの距離を離して、それにより
ワークサイズまで光を拡げて照射することになり、どうしてもUV照度が下がってしまいます。
(1)シール印刷(凸版またはスクリーン印刷)
発光長200〜300mm、1KW〜3KW装置を使用。
(2)ビジネスフォーム印刷(凸版又はオフセット印刷)
発光長500〜750mm、4〜9KW装置を使用。
(3)プラスチックフィルムの印刷(オフセット印刷)
発光長1000〜1250mm、12KW〜15KW装置を使用。
(4)枚葉印刷(インキOPニス)
(アルミフォイル、コートボール、プラスチックシートなどの印刷)
発光長750〜1400mm、9KW〜22KWのランプを3〜5灯使用。
(5)金属印刷
発光長1000〜1250mm、12KW〜20KWランプ2〜5灯。
(6)印刷物の表面コーティング
発光長1000〜1250mm、8KW〜15KWランプ3〜5灯。
(7)プラスチックタイルの表面コーティング
発光長500〜1400mm、4KW〜11KWランプ1〜6灯。
(8)プラスチック長尺床材の表面コーティング
発光長2000〜2250mm、16KW〜18KWランプ3灯。
(9)プラスチック成形品の表面コーティング 発光長500〜1400mm、4KW〜6KWランプ4灯〜8灯。
(10)電子部品のプリント基板への接着
2KW〜12KWランプ1〜3灯使用。
(11)注形
1KW〜1.5KW程度のバッチ式装置が多い。
(12)電子部品マーキング
1KW〜4KWランプを、コンベアまたは製造ラインに組込む。
(13)プリント基板の製造
80〜120W/cmのランプ1〜4灯使用。
<STEP.3:UV硬化装置/UV照射装置 購入時のチェックポイント>
ポイント1:<性能の確かさ>
・効率よいUV照射には、高性能なUV照射装置を選択することが重要ポイントで、
具体的な性能(---mW/cm2)を必ずチェックしてください。
>弊社UV照射装置は、性能とコストにシビアな半導体業界で「標準機」として使用されており、
UV樹脂・塗料メーカーの硬化実験にも採用されていますので、安心してお使いいただけます。
行政研究機関・大学への納品実績(例)
産業技術総合研究所、高エネルギー加速器研究機構 素粒子原子核研究所、物質・材料研究機構、
東京都立産業技術センター、神奈川科学技術アカデミー、国立特別支援教育総合研究所、
新潟県工業技術総合研究所、岩手県工業技術センター、東北大学多元物質化学研究所、
千葉県畜産総合研究センター、東京大学生産技術研究所、微生物研究会 微生物研究所、
防衛省 防衛装備庁 先進技術推進センター、 三重県科学技術センター、京都大学化学研究所、
先端ビームナノ科学センター、京都大学マイクロ化学システム高等研究院、大阪産業技術研究所、
大阪大学産業科学研究所、 近畿大学分子工学研究所、佐賀県工業技術センター、
BOE (中国)、Fraunhofer Institute IPMS(ドイツ)、JAXA(日本)、
北海道大学、東北大学、東北工業大学、東北学院大学、秋田大学、新潟大学、弘前大学、
岩手大学、山形大学、筑波大学、東京大学、東京工業大学、千葉工業大学、芝浦工業大学、
長岡技術科学大学、 日本大学、明治大学、慶応義塾大学、立教大学、聖マリアンナ医科大学、
横浜国立大学、横浜市立大学、防衛大学校、東京都市大学、首都大学東京、名古屋大学、
名古屋工業大学、豊田工業大学、静岡大学、山梨大学、金沢工業大学、富山大学、富山県立大学、
福井大学、京都大学、奈良先端科学技術大学院大学、大阪大学、大阪工業大学、大阪府立大学、
神戸大学、兵庫県立大学、姫路工業大学(旧)、岡山大学、香川大学、愛媛大学、高知工科大学、
広島大学、福岡歯科大学、宮崎大学、九州大学、琉球大学
-以上敬称略- (大学・大学院・研究施設 実績より抜粋)
・京都大学工学部大学院でのハンディ・キュアラブ100Wを使ったUV照射による実験で、「計算値と同じ結果が
得られた」とのご報告をいただいています。(=カタログ記載のUV強度と、実際の性能が一致)
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ポイント2:<価格/サービス>
(1) 産業全般に普及している装置は、性能も価格も安定しています。
>弊社は一次卸で、単品も工場渡し価格(=一般卸値)以下です。
直接販売も1台から実施しています。お気軽にお申し付けください。
例:ハンディキュア1KW=税込50万円以下
100Wハンディキュアラブ=10万円台前半
(2)しっかりした製品知識・ノウハウを持つ業者選びが、適正な装置選択の入口です。
マリオネットワークはUV専門企業で、弊社のUV技術は日本最長キャリアの研究/技術者が支えています。
[
UV照射装置/UV塗料・UV樹脂/UV塗装技術指導…全て、お任せください ]
これまでに培ったノウハウ、ソフトの提供など「きめ細かなサービス」を心がけています。
弊社装置ユーザー様にはA4サイズで1000枚を越すUV塗装ノウハウもお役立ていただけます。
「UV樹脂メーカーからマリオネットワークを紹介された」と、お越しになるユーザー様も増えておられます。
UV現場施工のための見学会・無料出張講習も実施しています。お気軽にお問い合わせください。
<欄外補足2:「UVコーティングの現場施工用装置」を選ぶ際のチェック・ポイント>
以下は他社ページ内容についてユーザー様から寄せられた疑問・質問を参考に、『落とし穴』をまとめたものです。
説明の根拠が化学的に正しく示されているかを意識しながら、内容をチェックすることをお勧めします。
現場施工用UV照射装置では、販売者に知識が無く間違った内容の混ざっているホームページも存在します。
書いている結果通りになるか試しているか。
また保証の条件は、普通の使用法なら、必ず適用されるものか。
そのシステムを購入したFC加盟者の「生存率」が3割以下ではないか。
品番は「XX…2000」なのに、搭載ランプが400Wx4本等ではないか?
品番は「XX…1000」なのに、ランプ出力も書いていないのはなぜか?
現場施工用なのに、使用電源が200Vではないか?
60kg以上ある自走式装置を、どうやって階段のある現場に運びこむのか。
「即日仕上げ」で、悪臭防止法が規定した臭気が3日も残る塗料ではないか。
「UVは瞬間硬化」と書いているが実際に売っている塗料は、乾燥に数十分以上かかる塗料ではないか。
「家庭用・趣味用」の海外製装置を「プロ用ツール」と言っていないか。
家庭用掃除機と同じプラスティック素材で、プロ用装置なのか?
「定価120万円の装置を80万円で」という、その定価で売っている店が世の中に1軒でもあるのか。
硬度5−9と宣伝しているが、そのような床にハイヒールのかかとが乗ると、どうなるか説明できるか?
8万円もする講習会の内容が、素人工芸や日曜大工の本に記載されている内容ではないか。
養生やホコリ対策をせず施工する「素人デモストレーション」をしていないか?講習できる十分な知識があるか?
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