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有機物除去の評価法
有機物の除去レベルは、洗浄前後の被処理面カーボン量を測定・比較しても判断できますが、
洗浄効果と改質レベルを評価するのが目的なら、もっと簡単な3つの評価法があります。
(1)水滴の接触角
純粋を試験体表面に滴下し、その水滴の接触角を測定して親水性を評価します。
ぬれ性が向上すると表面エネルギーが小さくなるので、表面に落とした水滴の接触角が小さいほど
親水化されたことになります。ここで角度測定を厳密にするには高価な測定器が必要になりますが、
水滴の高さ・直径などから判断する簡易法もあります。
(2)試薬によるぬれ性評価
ぬれ試薬(和光純薬製)を綿棒などで試験体表面に塗り、試薬がはじかれずに濡れ広がるかどうかの
広がり具合で、ぬれ性を評価する方法。(*とにかく安いが、試験者の個人差が判定に出る短所があります。)
(3)クロスカットによる塗装の付着性評価
試験体にアクリルラッカーを塗装して、その乾いた後の塗膜10cm x 10cmの面積に、1cm角の碁盤目状に
切れ目をいれて、セロハンテープで塗膜剥離させ、その残数をもって塗膜の接着力(密着力)を評価します。
改質効果評価法の一種としてJISに定められた方法のひとつで、接着力の評価法は他にもJIS規格にありますので
詳しくは専門書をご参照ください。洗浄効果については定量性があり信頼できる方法が確立されておらず、
接触角の測定が一番信頼できる評価法です。
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